どうぶつたちの病院沖縄について

ヤンバルクイナのヒナ救護

2015年4月23日 11:13

20日の午前中、安田公民館の裏手でヒナの救護がありました。

公民館の職員さんによると、その日、公民館裏の土手の上から土止めの塀の下に落ちてしまったのか、公民館の敷地にヒナが5羽いるのに気づいたそうです。塀の上からは、親鳥がヒナを心配して鳴いていたそうなのですが、そのうちにヒナ1羽がカラスに連れ去られてしまったのだそうです。

カラスがヒナをくわえた途端、親鳥2羽は飛び去るカラスを追いかけていってしまいました。それを目撃していた公民館の職員さんは近所の人に声をかけ、残されたヒナたちの救助を開始しました。4羽のうち3羽は見つかり、すぐに戻ってきた親鳥の元へ戻すことができましたが、残る1羽は発見が遅れ、親鳥に戻し損ねてしまったようです。

当法人のスタッフが公民館から連絡を受け、ヒナの確認をしました。ヒナは孵化後2週間くらいの大きさで、まだ元気があったため、現場でしばらく親鳥が迎えに来るのを待っていました。ところが3時間経っても親鳥の気配がなく、暗くなってきたので、やむなく救護となりました。

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救護されたヒナは、すぐにミミズとミルワームを食べてくれました。このくらいの大きさのヒナは、人を警戒して、目の前に餌をおいてもなかなか食べてくれませんが、このヒナはすぐに食べてくれたので、ほっとしました。

そして、翌日もヒナが元気なうちに救護場所付近で親鳥を待ちましたが、とうとう現れてはくれませんでした。そのため、やむなくヒナを再び保護することとなりました。

本来、野鳥のヒナを発見しても、ヒナがケガをしていない限り "拾わない・救護しない" というのが一般的な対処法です。というのも、まだ飛翔能力がないヒナでも巣を離れて(巣立ち)、親鳥にエサを運んでもらって育つのです。

今回の出来事は、地域の方々の適切で迅速な対応で、3羽のヒナを親鳥に戻すことができました。でも、残る1羽は親鳥が戻らない場所に戻しても命の保証はありません。きっと、このヒナの親鳥は残された3羽を守るため、同じ場所には戻らなかったのでしょう。地域の方々の見守りによって助けることができたヒナは、大切に育てあげて、野生復帰を目指します。
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